やまいも横丁

そのまなざしに刺さりたい

髭男ライブに初参戦できた喜びと感動の記録~その1~

 2020年1月12日、Official髭男dism Hall tour 19/20 "Hall Travelers"パシフィコ横浜公演に行って参りました。すっかり髭男沼にずぶずぶの筆者、初めての髭男ライブで、喜びと感動もひとしお……でしたので、思ったことや感じたことを記録しておこう、とひたすら書き綴ってみました。


※以下に記す内容は、ライブに行った筆者個人の感想・解釈にすぎません。
※読みやすさを全く意識しておらず、とんでもなく長くなってしまったので、
その1〜3の三本立てです。
※当日演奏された楽曲やMCについてはガッツリ触れていますが、合っているかどうか、自信はありません!記憶はいつだって曖昧だ!
※音楽的知識についても全くもって素人なので、間違っていたらごめんなさい!


その1の目次

プロローグ――ライブに行けるだと!?

 そもそも、今回のホールツアーは行けないと思っていた。チケットを持っていなかったから。
 わたしが沼落ちして、日々髭男のことで頭がいっぱいになるようになってしまったとき、チケットはとっくに完売していたのだ。
正直言って、その頃のわたしの「ライブに行きたい」という気持ちは、他の誰よりも強かったと思う。根拠はないが、そういう絶対的な自負があった。毎日欠かさず聞く音源や、繰りかえし観てしまうライブ映像のおかげで頭の中にグッドミュージックが充満していただけでなく、ならちゃん、DANDISMOVIEあさり、底を尽きるBROTHERSのポイント、楢﨑さん、ロヂベー、ならちゃん、なら……と、とにかく体中の隅から隅まで髭男が染み渡っていた。はやく同じ空間で彼らを観てみたかった。その音楽を浴びたかった。
 しかし、さすが今をときめく”紅白アーチスト”である。ストリーミングで前人未到の記録を打ち立て、飛ぶ鳥を落とす勢いの超が付く人気バンド。そりゃあ、みんな行きたいわけだ。いくら想いが募っていても、わたしだってそのうちの一人でしかない。機材解放席の抽選もあえなく惨敗し、「簡単にチケットが取れないのも人気バンドの一つの宿命……宿命ってやつを……」とぼやきながら指をくわえる他なかった。

 ほとんど諦めかけていた前日の深夜、日付が変わった頃に奇跡は起こった。

 「同行者が行けなくなっちゃったんだけど、明日夕方髭男のライブいく?」

!!!!!??????!!!!!!!
♪黙った〜 泣いた〜 笑った〜〜(BGM「雪急く朝が来る」)

 連絡をくれた友人には、最近私が髭男にはまっているという話をよくしていたので、声をかけてくれたらしい。やはり好きなものは好きだと大きな声で言っておくべきである。。熱く語っておいた甲斐があったというものだ。。

 というわけで思いがけず参戦が決定。この時点で、開演時刻まであと17時間もない。
夜通し心臓がバクバク鳴っていて、寝た心地がしなかった。

当日、ライブ開演前。

 普段の遅刻癖はひどいくせに、この日ばかりは予定よりもかなりはやく到着。BROTHERSくじをひいて大多数の例にもれずステッカーをもらい、物販へ。ファンの人がみんな持っているラババンは必ずゲットしたい、と思っていたのだが、デザインがまさかの中華街カラー(?)の茶色と知り、買うのを渋る。地味だな……と思いつつ、でも今回限りだし……と結局ちゃっかり購入。そう、浮かれている。前日の深夜から浮かれっぱなしである。同行する人数分のタオルと、「REPORT」のCDも購入する。サブスクでさんざん聞いてはいるが、あまりに名盤なので現物を手元に持っておきたかったのだ。このCDの特典で付いてきたクリアケースがなかなか可愛くて良い。使い道は思いつかないのだが、良い。ステッカーも頂戴して、売り場を離れる。そこまで混雑はしていなかった。



 ツアートラックなどを見物したのち、友人らと合流する。ワクワクしていたのは皆同じだったが、明らかに私一人、おかしなテンションである。仕方ない。好きなものは好きなんだもの。ウワァとかウゴォとか呻き声を漏らしている私をそっとしておいてくれる君たちが好きだよ、ありがとう。
 座席は一階。後方ではあったが、全体がしっかりと見える位置。初髭男がこれ。贅沢すぎやしないか。あと少しでこの幕の向こうにメンバーが現れることを考えて、最大限に高まる緊張。止まらない手汗。SEの選曲がまた良い。Earth Wind & FireMaroon5……ノリノリになりながらも、いつそのSEが止まって始まるのか分からないという一種のサスペンスなので、おちおち楽しんでもいられない。緊張と楽しみですでに心は息切れしている。
 
 開演時間を少し過ぎ、ようやく暗転。

ライブ本編①

 アルバム『Traveler』の最終トラック、「Traveler」が編曲されたopening SEと共にメンバーが登場。

いる!!!そこにいる!!!スマホの、テレビの向こう側にいた彼らが、本当にそこにいる!!

 ライブや演劇といった「生もの」はもう何度も観に行ったか分からないというのに、何度経験しても、本物のアウラを享受する瞬間は胸が高鳴る。ましてや、思い焦がれた髭男である。

エスタデイ

 「何度失ったって 取り返してみせるよ」

 一曲目、この歌いだしが会場に響いた瞬間の空気感を、なんと形容したらいいのだろう。それはたしかに、マイクを通じて、増幅されてスピーカーから流れだしている音に違いないのだが、藤原さんの声の質感まで微細に感じ取ることができて(PAさんナイスです)、すぐそこで歌っているかのよう。それでいて、CD音源といわれても遜色のない安定感。あぁ、このAメロが本当にたまらないんだよ、半音攻撃に弱いんだ私は。サビの高音も、危うさを全く感じさせない。音源で何度も聞いていた「イエスタデイ」が新しいものとして沁み込んでくる。楢﨑さんのコーラスが良い。楢﨑さんのファルセットが大好物なんだ……「遥か先で」は三度下ハモだけど「世界がうしろから~」は一オク上ハモっていう意外と忙しいコーラスしてるんだよね……さすがです……。
 後にも先にもない、私の初髭男の瞬間は、イエスタデイによって彩られた。(こういうこと、書いておかないと、「すごかった」という印象以外、すぐ忘れてしまう。)

Amazing

 サポートメンバーを迎え入れ、「Amazing」。なんじゃこりゃ。イントロの大輔くんのぶち上がるリフに加えて、ホーンセクションを主としたアレンジ……えげつなく映える……!音源は打ち込みサウンドが特徴的なだけに、生楽器と融合した時こんなすごいことになってしまうのか、という衝撃がでかい。痺れる……!
 藤原さんはピアノを離れ、スタンドマイクで魅せる。本当に、「魅せて」くる。チェックのジャケットをまとって両手を広げる立ち姿、かっこいい。。この人はリズムのとり方からも歌のアクセントの付け方からも、身体の中でドラムを叩いているということがひしひしと伝わってくる。ステージングがとにかくかっこいいのだが、それが「天性のダンススキルで湧き出してしまう」、みたいなものではなくて、どう見せたらいいかを試行錯誤して、考え抜いてやっているのが伝わってくるもので、それがまた良い。「前ならえ 右にならえ」の部分で手を前に、さらに観客から見て右側に向ける仕草をしているところなどが特にそう。大学時代、サークルでアカペラを齧っていた私は、舞台上の演出とステージングでいかに魅せるかに奮闘した経験があるので、こういう工夫に気づくと人一倍嬉しくなってしまう。
 ブリッジに入った部分(転調のところ)のトランペットあつきさんの圧巻のハイノートに唸りつつ、踊りまくっていたらあっという間に次の曲へ。

Tell Me Baby

 この繋ぎのアレンジがまた憎い。最初の「ジャーン テーレレッテー」(※衝撃の雑表現ですがシンセの♪ラードソッファーを表しているつもりです……)まで、なかなか引っ張る前奏。『Traveler』初回特典のNHKホールのライブ映像を見たとき、この曲のアレンジに思わず画面の前で「ひええ!!」と叫んでしまったほどにはおったまげ、これでもかというほど繰り返し観ていたのだが、それでもなお、生で聞くそのアレンジと演奏は新鮮で、素晴らしい。もはや溜息が出る。「I don't wanna leave here」からのコード進行……「Oh can't believe it ひとえに未来の」の「ひ」……!!!ハア、、ハア。。。
 楢﨑さんの演奏姿があまりにもかっこいいので戸惑う。どの曲についてもそうなのだが、楢﨑さんは音楽を全身で感じながら演奏する人だ。それが本当に良い。インターロックが完璧である。ロヂベー(楢﨑さんがパーソナリティを務めているラジオ)で曲を流している時でさえ、いつもすばらしいインターロックを見せてくれるので惚れ惚れしてしまうのだが、ファンキーなビートが痛快、スラップ奏法バチバチのこの曲となれば、それはそれは、あまりにもクール。軽率に惚れ直した。


 たしかここで、軽くMC。端の方の席だと見えていないかもしれないから、と、藤原さんがちゃんまつを舞台前方に呼んで、挨拶してくれた。気遣いが嬉しい。


……その1はここまで!
その2、その3へ続く。